昼下がりの電車はガラガラだった。
車内にはポツンと私が1人で座っている他は誰もいない。

高校の終業式を終えて明日からの夏休みに期待を膨らませつつ、ぼんやりと窓の外を
眺めていた。

明日からやっと夏休み。
何をして遊ぼうかな。
夏といえば、プールと海。
できれば彼氏も作りたい。
やりたいこといっぱいだよ。
宿題なんて、さっさと終わらせなくちゃ。
明日は友達待ち合わせて、図書館で宿題を片づける約束をしている。
涼しい場所でやる方かはかどるしね。

携帯電話を開くと友達からメールが来ていた。
明日の時間の確認のメールだ。
さっき別れたばっかりなのにマメだね。
さっそくメールに返事を返す。

不意に眠気に襲われ、私は眠ってしまった。
私は夢うつつにまばゆい光に包まれたのを感じた。
それが私がこの世界で感じた最後の記憶。





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